向かい合った日本百名山の真ん中に泊まって、初日は西に行って仙丈ケ岳に登り、次の日は東に行って甲斐駒ヶ岳に登る。こんな贅沢な山登りは北沢峠を置いてほかにできません。今回、夏の間に避暑をかねて北沢峠からの仙丈ケ岳、甲斐駒ヶ岳を2回に分けて登る計画を立てましたが、なかなか忙しく、仙丈ケ岳のみとなってしまいました。北沢峠に泊まった日は甲府で酷暑日。それでも標高2000mの山中はなんと快適なことでしょうか。暑い夏は山に泊まるに限ります。

ジオライナーで茅野駅から戸台パークまで片道1800円。戸台パークから北沢峠まで片道1350円。上手く乗り継げば非常に便利ですが、とりわけ下山時、戸台パークから伊那・高遠方面へ出るバスは思った以上に少なくて仙流荘でずいぶん待つことになります。北沢峠から広河原に向かうバスが復活すれば、甲府に帰りやすくなるのですが、現状を考えると難しそうです。

こもれび山荘は2食付き15200円。大部屋といいながらカプセルホテルのようにブースが区切られているうえに、トイレも水洗で山小屋というよりはホテルのようです。小屋の前では南アルプスの美味しい天然水を汲み放題です。

A.戸台パーク

戸台パークからは鋸岳が見えています。地元の長谷出身というバスの運転手が饒舌でいろいろ教えてくれました。鋸岳と仙丈ケ岳は元は同じ堆積岩だということですが、鋸岳は甲斐駒ヶ岳の花崗岩ができるときの熱によって変質した結果、黒っぽい岩石に変化したそうです。非常に狭い範囲に三者三様の個性豊かな山がまとまっています。

B.北沢峠

戸台パークから50分程で北沢峠に到着します。この日は甲府で40.0℃まで気温が上がりましたが、北沢峠は20℃前後の清々しい体感です。

こもれび山荘周辺は幕営禁止です。北沢峠の幕営地は、こもれび山荘から山梨側に300m程下った先にある長衛小屋周辺にあり、ハイシーズンのこの日はゆうに100張以上のテントが所せましと並んでいました。長衛山荘では、はねだしデラウェアが売られていました。ここは山梨県なのです。

こもれび山荘に戻って、午後5時に夕食。やはり食事に力が入っています。ジャガイモの入ったスープが味わい深くとても美味しかったです。ご飯はお代わりできるようでしたが、おかずのボリュームだけで十分でした。夕食時に小屋のオーナーによる軽快なトークがあり、曇り予報だけど感覚ではもう少し晴れそうと天気予報の所感を教えてくれました。私も同意見(晴れると思ったから来た)。朝ご飯は4時からとかなり早いので、お弁当にしなくてもよかったかもしれません。

C.仙丈ケ岳六合目

仙丈ヶ岳の登山道は北沢峠から5合目まで樹林帯が最も精神的にきつい急登です。展望がない登りが無限にも感じられるころ、6合目に到達すると一気に展望が開けてきます。

振り返ると甲斐駒ヶ岳が朝日に照らされています。北岳の向こうに富士山も見えてきました。山小屋オーナーの読み通りの晴天です。6合目以降の展望はずっといいですが、斜度は変わらずきついつづら折りの登りが続きます。

D.小仙丈ケ岳

小仙丈ケ岳の山頂からは小仙丈沢カールがよく見え、いかにも仙丈ケ岳らしい景色です。小仙丈沢カールを含めて、仙丈ケ岳には3つのカールがあり形がよく保存されています。

北アルプス方面の見晴らしもよく、槍穂高連峰が見えていました。このすぐ後に北アルプスは雲に覆われてしまいます。

E.仙丈小屋分岐

さらに上ると仙丈小屋分岐があり、まっすぐ登り続けると山頂へ、巻き道に逸れると藪沢カールに行くことができます。ここで一休みしつつ後ろを振り向くと、甲斐駒ヶ岳が非常に大きく見えていました。長衛小屋の予報通りよく晴れています。

F.仙丈ケ岳山頂

仙丈ケ岳の山頂直下には藪沢カールがあります。仙丈ケ岳を取り巻く3つのカールの内、最もよく氷食地形が保存されていると言われています。仙丈小屋があるあたりがカール底でその先にモレーンのような地形が残っています。深田久弥は北沢峠を経由してこの方面から登頂したようです。

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