山小屋での天気教室や番組ロケなど仕事で山に登る機会が増えてきたので、個人の山行も充実させておこうと思い、少ない労力の割に高い満足度が得られる金峰山に登ってきました。5月としては異常なレベルともいえる500hPa5880mの高気圧に覆われたため雲はほとんどないかと思っていましたが、早朝のみかぎ状巻雲が出現して空に表情を加えてくれました。2026年5月16日~17日に歩いたルートは以下の通りです。

富士見平小屋はテント泊1張2000円。夜7時まで軽食営業をしており、夜ごはんを自炊せずとも満足度の高いテント泊ができます。鹿肉ソーセージとピザは欠かせないでしょう。

A.瑞牆山荘

韮崎駅出発の茅ヶ岳・みずがき田園バスはマイカーを持たない登山者の心強い味方です。富士見平小屋に宿泊する場合は、韮崎駅を昼ごろ出発するバスが便利です。瑞牆山荘から登り始めるとすぐにあちこちでミツバツツジを見つけることができました。

B.富士見平小屋

瑞牆山荘からゆっくり歩いて1時間もしないうちに富士見平小屋に到着します。午後出発だったため、小屋前は下山してくる人とこれからテントを張る人で大変にぎわっていました。富士見平というからには富士山が見えるはず……なのですが、富士山を見ることができたのは今回が初めてでした。小屋入口の右手がビュースポットになっています。

富士見平小屋は軽食メニューが非常に充実しています。このメニュー表は冬も小屋前に掲げられていましたが、そのとき営業していなかったので今回念願かなって鹿肉ソーセージ(1200円)、アンチョビマルゲリータ(1500円)と奮発しました。アンチョビが汗をかいた身体にちょうどいい塩味を添えています。季節のパイはすぐ売り切れて翌日も復活しませんでした。早めに晩御飯を食べ終えて、みずがき林道のビュースポットに向かいます。

C.みずがき林道

みずがき林道の天鳥川にかかる橋周辺は瑞牆山のビュースポットです。茅ヶ岳・みずがき田園バスの車体や片道券に印刷されている瑞牆山はここから撮影されたと考えられます。標準コースタイムは、富士見平小屋からみずがき林道までの下りが1時間、登りが1時間30分。瑞牆山の夕焼けを見て小屋に帰ると、なんとか薄明の内に戻れる距離です。シャクナゲが多く咲いていました。

D.大日岩

午前4時に出発。大日岩の直下に展望の開けたところがあり、南アルプスや八ヶ岳が望めます。

しかしこの区間の本命は大日岩を半分ほど登って、画像右の大岩の下をくぐった先にあるテラスです。

テラスの端は断崖絶壁でかなりの高度感です。西側は遮るものが何ひとつなく、瑞牆山と八ヶ岳が一望できます。日の出直後のビーナスベルトこそ逃しましたが、赤味が少し残る素晴らしい景色を見ることができました。

E.砂払の頭

今年は雪解けが早く、登山道には雪が全く残っていませんでした。唯一、稜線に出る直前の木陰に一塊の残雪を見つけました。金峰山の登山道は砂払の頭から展望が開けた稜線歩きとなって気分が高揚しますが、ひとつひとつの岩が大きくなって歩きづらくなるのもこの辺りからです。

F.千代の吹上

千代の吹上には伝説があります。昔、甲府に住んでいた男が妻の千代とともに金峰山に登ったそうです。ところが当時の金峰山は修験の山で、女人禁制だということを知りませんでした。稜線の岩場に差し掛かったところで千代は断崖から転落してしまいます。神の怒りだと感じた男は、金峰山の山頂に7日間籠って神に許しを請いました。すると妻の千代が岩場から吹きあがって戻ってきたため、この岩場を千代の吹上というようになったということです。

ここまで登ってくると白根三山がよく見えます。よく見ると農鳥岳と間ノ岳にそれぞれ農鳥が出現しかけていました。例年だと6月上旬に現れる雪形なので、今年はやはり雪解けが早いようです。

G.金峰山山頂

山頂は冬に甲武信ヶ岳から縦走したときに通過して以来です。積み木のように見える五丈石がどのようにしてこの形になったのか不思議でしかたありません。五丈石は金桜神社の御神体です。山頂からは甲府方面が望めてこの場所が甲府と結びつきが強いことを実感します。

H.富士見平小屋

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