山中アメダスは富士吉田消防署東部出張所の敷地内にあります。アメダス地点名を山中湖と呼びたくなりますが、湖がつかないのが正式な名前です。山中湖からは最短距離でも1.6km離れており、アメダスの周辺から湖を見ることはできません。実際に、山中湖畔の例えば平野などの住民によると気温などが異なるように感じることが多いようです。

典型的な消防署アメダスである山中アメダスの観測環境は良いとは言えません。駐車場のアスファルトに取り囲まれている上、消防署に出入りする駐車車両も比較的多いようで輻射熱や車の排熱の影響を受ける可能性があります。また、すぐ隣を走る国道138号線は富士北麓と御殿場方面を往来する車でたいへん混雑する主要道路です。これも気温を高めてしまう可能性があります。ただし元々の気温が低いため、極端な高温が観測されることはありません。風は弱い日が多いですが、南風が強まりやすい気圧配置になると籠坂峠から強い風が吹き抜けてくることがあります。

山中湖と山中アメダスには鷹丸尾溶岩流があります。噴出は800年ごろで最も新しい時代の溶岩流です。桂川の最初の流れがこの溶岩流を横切って忍野村の盆地に向かっています。一方、山中アメダスがあるあたりは須走c期(3500年~2300年前)の堆積物で、富士山の中腹以上から少しずつ流れ下ってきた土砂です。山中湖にはこの土砂による三角州が形成されている様子が見られます。

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