雪解けが進んで高山に登りやすい季節になりました。今年は月に一度は山小屋にとまってゆっくり山を歩きたいと思います。久しぶりの登山となった今回は、赤岳天望荘に宿泊して南八ヶ岳を縦走しました。主な目的は真教寺尾根を使って赤岳に登頂することと、日本最高所の露天風呂である本沢温泉に立ち寄ることです。2024年5月25日~26日に歩いたルートは以下の通りです。

赤岳天望壮は相部屋2食付きで12000円。ココヘリ会員証でいろはすの水がもらえました。本沢温泉の露天風呂入浴料は1000円です。八ヶ岳エリアは小海線を利用することで、林道歩きが長いことに目をつむれば様々な縦走ルートを設定することができます。今後も開拓していこうと思います。

A.清里駅

甲府から始発電車に乗ると小淵沢駅で小海線の列車を1時間近く待つことになり、清里駅に着くのは最も早くても午前8時9分です。登山には少々遅いのでもう1本早く着く方法がないか考えていますが、いまのところ解決策はないようです。清里の街はリノベーションが進行していて、長く放置されていた建物に新しく店が入ってきています。駅前にファミリーマートがあり、水や食料を補給できます。

B.美しの森

清里駅から1時間ほどで美ヶ原に到着。すぐ下まで車で入れるため手軽に高原風景を楽しめる観光地としても有名です。美ヶ原山は山麓砂礫層から突き出た真教寺山溶岩です。

C.清里テラス

清里テラスはサンメドウズ清里の山上駅周辺にあたり、ここまでが観光地です。体を冷やすためジャージー牛ミルクのジェラートを食べました。清里テラスは野辺山や金峰山方面の展望が開けていますが八ヶ岳は木立に隠れて見えません。

D.賽の河原

清里テラスから真教寺尾根方面に3分ほど登山道を歩くと賽の河原という名の開けた場所があり、赤岳や権現岳が見えてきます。観光地と別れて登山道らしくなっていきます。

登山道には1番から10番までの番号が振られていました。1番、4番、7番が見つかりませんでした。真教寺尾根の大部分は真教寺山溶岩です。この溶岩の上は尾根の高さがそろっていて歩きやすいですが、途中から赤岳溶岩に切り替わって急激に傾斜がきつくなります。

E.真教寺尾根

立ち枯れの木が目立ちます。八ヶ岳は土壌が貧弱なためなのか、風が強いためなのか、ときどき立ち枯れ密集地があります。北八ヶ岳の縞枯れ現象が有名です。立ち枯れを過ぎると核心部の鎖場が現れました。鎖はかなり長く、かなり高度感があります。

ある程度登ってくると真教寺尾根と隣の県界尾根が並んで見えてきます。伸びている方角や尾根の形が瓜二つです。シームレス地質図によるといずれも真教寺山溶岩で構成されていて、同じように浸食が進んだ結果だと思います。ただし県界尾根のほうが雪解けが遅く5月中は鎖場の通過が難しいそうです。キレットからの登山道と合流するとまもなく竜頭峰に到着します。赤岳は南峰、本峰、竜頭峰がほぼ同じ標高で並んでいる三頭峰です。

F.赤岳山頂

赤岳に登頂しました。3年ぶりでしょうか。金峰山は五丈岩が見えていました。北の方角は横岳、硫黄岳から蓼科山まで見通せます。赤岳はこの景色が好きです。

G.赤岳展望荘

赤岳天望壮についたのは午後3時でした。スタートが遅かった分ちょうどいい時間です。4人相部屋の3人までが埋まる程度で、想像より混んでいましたが夏ほどではありません。離れの相部屋だった前回に比べるとずいぶん快適でした。食事は16時30分から3回程度の入れ替え制。骨付きチキンが豪華です。ごはんとミネストローネはおかわりできたいへん助かりました。甲府は30℃近い暑さになったこの日も、天望壮は最高気温が19.2℃、最低気温は2.9℃です。あすも同じくらいの冷え込みになる見通しです。赤岳天望荘のすごいところはトイレです。非常にきれいで、なんと水洗式(手動)です。

朝ごはんも小屋でいただきました。山の上では息をしているだけでどんどんおなかが減っていくので、ごはんとお味噌汁はおかわりできて助かります。食事中は雲が多く天望は絶望的かと思われましたが、ふと窓の外を見ると北アルプスが焼けていました。天気もいまひとつなのでゆっくりと支度をして日も昇りきった午前6時ごろに出発します。小屋泊でこのくらいくつろげると楽です。

H.赤岳~横岳

横岳へ縦走します。途中振り返ると、赤岳と頂上へ続く県界尾根がよく見えました。ツクモグサを探している方がいて自分も探しましたが、見つけることはできませんでした。

I.駒草神社

硫黄岳山荘はこの時期から営業しています。小屋の周辺は駒草が有名で駒草神社がまつられています。小屋の周辺は高山植物園になっていてコマクサをはじめとする高山植物が咲き乱れますが、まだほとんど芽もでていない状態で荒れ地に名札のみが並んでいました。

J.硫黄岳

硫黄岳山頂は赤岳から1時間程度しかかからないので、高山植物を探しながらもっとゆっくり歩いてもよさそうです。硫黄岳までくると夏沢峠以北の北八ヶ岳方面が見渡せます。中央の双耳峰は天狗岳です。

H.本沢温泉

夏沢峠から本沢温泉までの道は八ヶ岳でも最も整備が行き届いており、コースタイムで40分もかかりません。八ヶ岳全山縦走時は、稜線の小屋ばかりではなく、本沢温泉まで降りて休息を充実させるのもよさそうです。本沢温泉の建物で受付して、爆裂火口を望む露天風呂に向かいます。午前8時半で空いてるかと思いきや、男性6人で狭い湯舟を共有することになりました。全裸でいいらしいですが、みんなパンツをはいて入浴していました。上の登山道から見えるので要注意です。本沢温泉にはキャンプサイトがあり、山に登らずともキャンプを楽しむ人が多いようです。本沢温泉から小海線の海尻駅までは平坦な道ですが、林道歩きに3時間かかりました。

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