山梨県では市街地で桜が咲き始めると、間もなく桃の花が咲きだします。とくに笛吹市の八代から一宮の一帯は桃源郷として有名で、高台から見下ろすと桃色の絨毯のようだと聞いていたので訪れる機会をうかがっていました。この週末はうまい具合に桜と桃の見ごろがいっぺんに来たため、峡東の山際の景色のよさそうな場所を探しながら歩きました。スタートは御坂ゴルフ場入口バス停です。周辺はすでに桃畑でした。

最初に向かったのはいかにもここを訪れてくださいという名前をしている花見台というところです。汗をぬぐいながら扇状地のきつい坂を登っていくと、花見台は扇央にありました。

南アルプスも見渡せてなかなか期待通りの景色です。少しかすんでいますが、これも春霞といって春の風物詩ですから悪くありません。次に向かったのが釈迦堂遺跡博物館周辺のエリアです。この辺りから撮られた写真が笛吹市の観光用宣伝写真に多用されていることを事前に調べてあったのでずいぶん期待していきましたが、桃の絨毯はまさに期待通りの絶景でした。ただし観光用の写真と同じ構図で撮るには畑に入る必要があって、観光客には難しいようです。釈迦堂遺跡博物館も以前から見学したいと思っていたので、9時まで待って入館しました。ここは中央高速道路を建設する際、縄文時代中期の大規模な集落跡が見つかりました。土偶に至っては1116体発見されていて、そのすべてが重要文化財なのだそうです。

博物館を見学した後は勝沼ぶどう郷駅まで足を延ばしました。こちらは有名な甚六桜がほぼ満開の状態です。勝沼は甲府に比べると200m程標高が高いので、桜の見ごろが数日遅くなることが多いのです。駅近くにある廃線跡の大日影トンネルに入ることができます。翌日のニュースで知ったことですが、1か月前に入れるようになったというタイミングでした。それにしても勝沼駅周辺はものすごい数の花見客です。ここに比べると笛吹の桃源郷はまだまだ知られていない穴場のようです。

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